仕事が無ければ金曜日の午後にバレエに行く。
このバレエ教室がある周囲の一部は生活保護受給者らが住む一軒家が立ち並ぶ地域なのであるが、このエリアは特に薬物やアルコール依存症などによる生保者が多いらしい。

さて先週の金曜日の事。
バレエに行こうと車を駐車していた時の事。
私の車の真横に男性が立っているのが見えた。
ドアをノックして問いかけている様子であるが、中から怒鳴り声が返って来ている。
この辺の住宅の事であるから、どうせ市の人が何か用事で来たのだろうと思い、私はバレエに急いだ。

1時間のレッスンを終え車に戻ると、先ほどの市の職員らしき人が同じ家の前に立ち、ノックをしたり携帯で電話したりとやっている。
首から下げているIDカードから、やはり市の人である事は明確であった。

市の職員男性は「今日が期限ですよ!出て行ってもらわなければ、強制的手段を取らねばなりません!」と大声で言っていた。
中から「○ック・ユー!!」という言葉が返って来ている。

私の車の真横に立っている職員と目が合い、「大変ですね」と言いながら私が車に乗りこむと、職員男性は「本当に・・」と困っている様子ながら、どこかと連絡を取っている様子であった。

そうして3時間半後の事。
今度は娘のバレエレッスンの為、私は同じ場所に車を停車した。
先ほどの家の前には黒いゴミ袋が40個以上積まれてあり、ボロボロのソファなどが運び出された状態で玄関口に放置されてあった。
強制手段取りはったんやな・・

娘のバレエを終えて1時間後、再び私は車に戻るべく車に向かって歩いていた。
今度は重々しい警察車両と2人の警官も立っていた。
中からドロドロのジャージ姿の女が2人の警官に抱えられて出て来た。
女は暴れながら警官に罵声を浴びせていた。
女「私らも同じ地球人やー!!あー!!」
警官「警告を無視するからや!」
女「絶対許さん、お前ら全員許さんー!生活を奪うんかー!」

娘は私に「あれは何か?」と聞いた。
「人に迷惑をかけた人やと思う」と答えておいた。

私が車に乗りこもうとすると、車の前後に警察車両が停車していた。
私は「スイマセン、私の車が邪魔でしたね。すぐに動かしますから」と警官の1人に声をかけた。
若い男性警官が「怖くないからね」とうちの娘に声をかけてくれた。
私は「何があったんですか?」と聞いてみた。
警官は「3年間も家と庭に汚物を放置し続け強制退去。近隣住民からクレームが出て、汚臭騒ぎの末のコレです」と教えてくれた。

今後この家は、市がプロの清掃業者に委託して清掃し、また生活保護受給者で住まいを必要とする人らに提供されるのだという。
家の改装工事やカーペットの入れ替えまでの費用は市が負担する余裕もなく、清掃で精一杯らしい。

強制撤退させられた彼らはひとまずシェルターと呼ばれる施設に移動し、そこで自分達が市から家を貸してもらっているという認識を教わりつつ、ゴミの日にゴミを出す事、ゴミを家に放置しない事、ペットを飼うにせよ、その汚物はゴミとして処理する事などを学び、彼らは再びどこかの市営住宅に入居するのである。

こんな事にも血税は使われているのであると、改めて考えさせられた。
あの異臭のする家の中に入った警官も市の職員の方も大変であると思うが、次に入居する人は汚臭とどう暮らすのだろうか・・

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