ふと思い出しました。

昔、妻は子宮がんの手術を受けて
入院していたことがあります。
私はまだ現役で、キャンプ中のこと
でした。
妻が退院してしばらくして
私にこんなことを言いました。


「人は…
一人で生まれてきて
一人で死んでいくんだな
って…
そう思った。」


何でそんなこと言うの?
と、私は驚いて聞き返しました。


「なんとなく…
入院中、一人ぼっちだったから。
朝から晩まで外の景色を見ていると…

私の病室の窓からは
オフィスが見えるでしょ?

あぁ、出勤時間だな。
今は昼休みだな。
あぁ、退社時間になったな。
残業してる人達がいっぱいいるな。
そしてオフィスの明かりが全部消えて
一日が終わったな。
って…

ただそれだけなんだけどね。

なんだか色々と考えちゃった。


自分はここに取り残されたまま
だけど、社会はいつも通りに
回っているんだなって、
この先も回って行くんだなって、
そんなことを感じてた。

それは
寂しいからとか悲しいからとか
ではなく、俯瞰的に感じたこと。

そこからね
また色々なことを考えた。」

妻は、そう話していました。



私は「そんなこと言うなよ!」と
そのまま話を終わらせてしまった
のですが…


妻がその先に考えたことって
その先に見えたことって
一体何だったのだろう。


妻はもう忘れてしまったかな?

祭に教えてもらえたらいいな。




皆様、今日も一日
ありがとうございました。

また明日。


おやすみなさい。