ニューズウィーク日本版で
こんな記事を見つけました
ポジティブ思考信仰の危険な落とし穴
『自己啓発本は
前向きになることが幸せな人生のカギ
だとうたうが、
楽観主義を強要されて鬱になるリスクも』
記事の最後はこの言葉でした
「いつも前向きでいる必要はないし、第一そんなことは不可能だ」
「前向きでいられないのは心に問題があるせいではない。人間としていろんな感情を持つのは当然のことだ」
ウェルズリー大学教授ジュリー・ノレム
私もそう思ってたーーー
記事を要約すると…
アメリカの心理学者アブラハム・マズローが
1954年に著書の中で
「ポジティブ心理学」という言葉を示した。
近年は
企業や軍隊でも
ポジティブ心理学が採用されるようになり、
大衆文化にも広まるにつれ、
そのアプローチは「ポジティブ思考」という
よりシンプルな言葉で表現されるようになった。
プラス思考を身に付ければ
誰でも幸せになれるという考え方が広まるにつれて、時々ネガティブな感情を抱くだけでも
恥ずべきことだと思う意識も高まり始めた。
学術誌「モチベーション・アンド・エモーション」
感情を簡単にコントロールできると考えている人は、そうでない人に比べて、ネガティブな感情を覚えたときにそれを自分のせいだと感じやすい。
エール大学のエリザベス・ニーランドらの研究
苦しいときでも
笑ったり楽観的になれない人は駄目だという
ポジティブ思考の強要は2段階で襲ってくる。
心に痛みを抱えている自分が嫌になる。
そこから前に進めず、プラスの側面に集中することができない自分に罪悪感を覚えるようになる。
ボードン大学の心理学者バーバラ・ヘルド
後ろ向きになるべきではないと周りから思われていると感じていると、よりネガティブな感情を抱きやすいことが分かっている。
クイーンズランド大学2012年
「私はみんなに好かれる人間だ」などポジティブな言葉を使うよう強制されると、かえって自信が持てなくなる人がいる。
サイコロジカル・サイエンス誌2009年
世の中には、ポジティブ思考よりもネガティブ思考、いわゆる「防衛的悲観主義」のほうが向いている人が存在する。
防衛的悲観主義者はすべてが悪いほうに転ぶ可能性を考えることによって不安を緩和し、往々にして悪い結果を回避する。
一方で防衛的悲観主義者がポジティブ思考を強要されると、潜在能力を発揮できなくなる。
アメリカ人の25~30%が防衛的悲観主義に当たると言われる。
ウェルズリー大学のジュリー・ノレム教授
ポジティブ思考のもう1つの弊害は、現実から目をそらす「否認」だ。
深刻な状況に陥っているのは明らかなのに、すべてうまくいくと信じて、問題の解決を図ろうとしない。
ニューズウィーク日本版 / 2016年11月9日
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/11/post-6219_1.php
ここからは私の思ってること
プラス思考はとても有効だと思うのですが、
おまじないのようにポジティブな言葉を唱えているだけでは望ましい結果にはつながらない。
ポジティブ思考そのものへの誤解もあるかもしれないですね
のべ2万人カウンセリングをしてきて、
ポジティブ思考になる『だけ』で
再発しないようになるまでに改善した人を
私は知らない。
カウンセリングの流れを
すごーく大まかに言うと、
まずは状況を整理して、自分の中にある感情を知る、認めてあげることから始める。
それに対する解釈や対処行動を振り返り、
メンタル不全になった時と同じパターンを繰り返さないように、環境調整含め、物事の捉え方、行動を変える。
そして、自分にとってしっくりくる、自分に勇気を与える言葉を自分にかけ続ける。
→ここでポジティブ思考が活きてくる。
私自身、どんな時もポジティブ思考をするというのは違和感があるタイプ。
自分にネガティブかっ!ってつっこむくらい
ネガティブな予測もするし(笑)、
不安にもなるから、準備をする。
プライベートだと、
人が言ったことを悪く解釈してしまって
落ち込むこともある
でも、
その不快な状態が早くなくなるように、
また望ましい結果になるように行動をする。
その時の思考は、
啓発本にあるような明るい言葉とはちょっと違う、
自分の言葉を使います。
ポジティブな人は思考がポジティブだ‼️と、
それ自体を魔法の言葉のように
クローズアップされがちですが、
よく観察してください。
ポジティブな人は、行動し続けています。
自分の行動にポジティブな思考をプラスして
パワーアップしてるんです。
ポジティブ思考は魔法ではありません。
啓発本にはヒントがたくさんあります
でも、自分の言葉に変換してください。
ネガティブ思考ダメ、
ポジティブ思考になるべき
ということではなく。
ポジティブ思考は、
自分のありのままの感情を知り、
自分の快不快を理解した上で、
自分らしく行動するために、
自分に勇気を与えるものとして活用してください