自見先生は昨日の講演後半で、妊娠期から就学前までの子育て家庭を支えるフィンランドの制度「ネウボラ」について触れました
ネウボラ("neuvola")とは「相談(neuvo)の場」という意味で「出産・子育て家族サポートセンター」を指す場所です
妊娠期~就学前の子どもを持つ女性と家族が対象で、妊娠期の家族には「出産ネウボラ」、誕生〜就学前までの子どもを持つ家族には「子どもネウボラ」があります。フィンランドでは現在なんと妊婦の99.8%、出生児の99.5%が利用しているとのこと
ネウボラは、妊娠がわかった時から子どもが誕生し、小学校に入るまで、家族の健康にかかわる全てのことを相談できるワンストップの拠点であるという利点があります
同じ担当者との対話・面談を継続して行うことで、家族と担当者の間に信頼関係が築かれ、医療・福祉など必要なサポートを受けることができます例えば各種健診を子供だけでなく家族も受けられたり、所得関係なく健診を受けることを条件とした母親手当と呼ばれる現物or現金があったり...うらやましい
(※もちろん北欧の特徴である高福祉・高負担ゆえ、所得税約50%・消費税約22%をしっかり国民は納めているわけですが)
東京都もそろそろ取り掛かるようですが、既に約150の自治体で地域の実情に合わせた「日本版ネウボラ」のモデル事業が実は始まっています
①里帰り出産が多い、②妊娠・出産期は医療施設でも、出産後1ヶ月以降は地域の小児科やかかりつけ医に変わる、という母子支援を担う機関が分断されている現状が日本にはあります
つまり日本版ネウボラは、医療施設だけでなく、民間・NPOも巻き込んでサービス提供を行なっていくことがポイントになる、と言われています。
健康寿命は子供時代の健康状態が大きく関わっています。高齢者の介護福祉や医療に予算を多く割り当てることももちろん大切ですが、次世代を担う子供たちの健康を守ることも同じくらい大切だなぁと改めて思いました
また、働く忙しい夫婦は子供が病気になると、仕事を休んだり職場からすぐに駆けつけたりとバタバタしがちですが、子供が常に健康ならそういう心配も減るので更にgoodですね