従来あった薬を、より安価で作られたものがジェネリック医薬品です。

簡単に言うとね。



モノによっては価格が10分の1くらいにまで抑えられてしまうものもあって、医療費削減が求められる現代ではジェネリックをチョイスすることが僕ら医療従事者に強く求められます。


同じ効能なら安い方が当然よいですよね。



ところで何故安く作れるかご存知でしょうか??


当然製造における技術の進歩などもあるでしょうが、大きく分けて2つの理由があります。


1つは特許

先発品の特許が切れてから作られるのがジェネリックですから、高い特許料を支払う必要がなくなるためコストを抑えられるわけです。


2つめは当然生産コスト

同じ効能でありながらいかに低コストで作るかってとこにジェネリック会社は注力しています。

当然ですよね、「わが社はこんなに安く作れました!」ってのが売り文句ですから。



繰り返すけど、同じ効能が得られるのであれば安い方が良いに決まってます。



が、中には例外もあります。


僕が気にしているのが外用薬。


例えば保湿剤のジェネリックは今かなり多く出回ってます。


当然同じ効能を示す保湿成分が入っているのですが、上で述べた「2」が問題になってきます。



どういうところでコストカットしているかというと、主成分となるモノは中々変えられないかわりに基剤や溶剤などを安いものを使ってコストカットしているんですね。


中には相当質の悪い基剤を使ってる製品もあったり・・・



結局肌に直接つけるモノなので、仮に主成分が同じだったとしても基剤の質が悪いと、肌が敏感な方だったりすると効果が出ないばかりか悪化してしまう事もあるんですね。



内服薬なんかは飲んでしまえば一緒かもしれませんが、肌につけるもの、外用薬であったりテープであったり湿布などは、高くても高品質のものをチョイスすることは、場合によっては良い効果をもたらすこともあるんですね。


ちょっと詳しい皮膚科医さんなどが安易にジェネリックを出さず、あえて高い先発品を使っているのはこういう理由があるわけです。



僕も飲み薬に関してはジェネリックで構わないかな?子供に飲ませるので味さえ良ければ?と思ってますが、塗り薬に関してはちゃんとその製造過程だったり使われている基剤の純度などもチェックしているんです。



安かろう悪かろうという言葉はふさわしくないけど、なぜ安いのか疑問に持たなきゃならないわけで、例えば赤ちゃんに着せる肌着だけは高くてもいいから中国製じゃなく国産とこだわる方も多いわけで、それと同様のことが外用薬にも言えるでしょ。


せめて肌に直接つけるモノに関してはこだわるべきと考えます。


少なくとも当院に来られるような肌の弱いお子さんに対しては、より慎重にチョイスするようにしてます。



医療費のためジェネリック万歳、的な考え方は正しくない場合もあります。